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戸川先生の労務コラム【1】 部下の勝手な早出残業。これって残業代払わなアカンの?

2022/10/24

労働実務のコラムですので、皆さんご参考にしてください!!

 

〈社長〉

センセ!従業員が始業時刻の30分前に勝手に来て,『早出残業したから残業代払ってください』とか言うて残業代を請求するんよ。早よ来いなんて一言も言うてへんのに,これって,払わなあかんの?!」

 

【回答】

〈社労士のセンセ〉

労務管理をするうえで、避けては通れないのが労働時間管理と残業です!

労働時間とは,従業員さんが会社の命令にしたがって働いた時間です。

そして残業とは、所定時間(契約上の労働時間)外の労働時間のことです。

労働時間は1分単位で管理し,賃金も1分単位で支給しなければなりません。

 

1:「労働時間について」

【労働時間の定義:判例、近年の動向】

判例では,「労働基準法上の労働時間とは,労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいう」としています。これだけだと,いったいどういった状態が「指揮命令下」にあるのかが分かりにくいですね。この点については広く解されており,厚生労働省は労働時間を「使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事しているか」を基準としています。裁判例においても,「労働から解放されているか。」を基準に労働時間を認定する傾向にあり,労働時間を広く解する点では同じ傾向にあります。

つまるところ,待機や荷待ち時間のような,何か指示があればすぐにでも動けるような状態に置かれている以上は「労働からの解放」にはあたらず,「指揮命令下」にあるとして何もしていなくても労働時間と解されます。

 

〈社長〉

ほな、従業員が勝手に始業時刻よりも早くに来て働いても、そんな命令してへんし,残業代を払わんでええやんな!よっしゃ!

 

〈センセ〉

社長,残念ながら,命令してないからって言って,残業代を払わなくていいということにはならないんですよ…

 

2:「残業について」

【黙示の業務命令,労務の提供を事後承認の場合】

先ほど紹介したとおり,「指揮命令下」にあるかどうかは「明示または『黙示』により労働者が業務に従事しているか」を基準にしています。したがって,使用者が労働者に指示した業務の量が,勤務時間外にも労働をしなければ完遂出来ないようなものであった場合や,時間外の労働について使用者が特に異議を申し立てず,その成果物を受領した場合には,「黙示」の命令があったものと評価され,労働時間であると評価される傾向にあります。

〈社長〉

なんやの…命令もしてへんのに勝手に働いて残業代請求するみたいな理不尽がまかりとおるんかいな…そんなん,やったもん勝ちやん…

 

〈センセ〉

いえ,そんなことないですよ。きちんと就業規則や労働契約書で定めた始業または終業時刻を守ることは,そもそも労働契約上の義務です。

 

なので、特に理由も必要性もなく早出出勤をする従業員さんにはしっかり指導をしなければなりません。そうすることで,会社が早出残業命令を出していないことの正当性を主張する一助になります。

 

このとき,必ず「書面で」始業時刻を守って仕事をするように指導しましょう。指導をしたにも関わらず勝手な早出残業をやめないなら、「意図的に業務命令に従わない」として,なんらかの懲戒処分をするということも視野にいれて臨みましょう!

 

〈社長〉

書面でせなあかんのか?なんやめんどくさいな…口頭でええやん…

 

〈センセ〉

口頭でも命令としては有効です。

ただ、万が一訴訟になったことを踏まえると証拠が決め手になります。

めんどくさいかもしれませんが,専門家に手伝ってもらって、必ず書面を作って交付するのが鉄則ですよ!

 

3:まとめ

1:業務命令に基づかない早出残業といえで,何も対策をしなければ早出残業を認めたことになってしまい,賃金を支払わないといけない。

2:対策を講じるときは,指導→懲戒というステップを意識。このとき,必ず書面で行うこと。

覚
悟の瞬間 ひかり物流株式会社 戸川一秋

クオーレの泉

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