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取締役の責任について

2021/07/15

会社には会社の運営をしている取締役と呼ばれる人達がいます。

この人たちによって、会社に損害がもたらされるケースも多々あります。

そこで、彼らはどのような理由でどのような責任を負うことになるのでしょうか?

そこについて、会社法を絡めてお話しさせていただきます。

会社法にしっかりと規程されています。。。。

会社法423条1項

取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

取締役は、その任務を怠ったとき、すなわち「任務懈怠」があるときは会社に対する損害賠償責任を負います。

「任務懈怠」の具体例としては、

①経営判断原則違反

②具体的な法理に違反する行為

③監視・監督義務違反

④内部統制システム構築義務違反

 

例えば、よくあるのが①、②です。

①経営判断原則違反とは・・・

もし経営上の判断が結果として間違っていたときに取締役が損害賠償義務を負うとしたら、取締役は委縮してしまい、挑戦的な判断ができなくなってしまうでしょう。

そこで、取締役が情報収集・検討を適切に行い、その調査結果を踏まえた判断が著しく不合理なものでなければ、善管注意義務違反とは評価されないとされています。

これを「経営判断の原則」といいます。

経営判断原則からしても取締役の経営が任務懈怠と判断されるのは、たとえば取締役が十分な検討もなくリスクの高い投資運用を実施して失敗した場合や、取締役が会社業務と関連性のない交際費を支出した場合です。

 

②具体的な法理に違反する行為

取締役は、利益相反行為など法理に違反する行為によって会社に損害を与えた場合にも損害賠償責任を負うことがあります。

利益相反行為とは、取締役が会社の利益のために行動すると取締役個人にとって不利益になるケースや、逆に取締役個人のために有利な行為が会社にとって不利になるようなケースを指します。

取締役は会社の執行機関であると同時に一人の人間ですので、会社にとっては不利だとわかっていても、自分の利益を追求してしまう場合があります。

具体的には、取締役と会社が売買契約や贈与などを行う行為や、会社が取締役の第三者に対する債務を引き受けるような行為が利益相反行為に当たります。

取締役は、このような利益相反行為を行う場合には、取締役会を設置していない会社では株主総会、取締役会を設置している会社では取締役会の承認を受ける必要があります。

利益相反取引が行われ、それによって会社に損害が生じた場合は、その取引に関与した取締役は会社に対して損害賠償責任を負います

この場合、利益相反取引を行った取締役はもちろん、代表取締役や業務の執行をした取締役や、取締役会設置会社においては取締役会での承認決議に賛成した取締役も損害賠償請求の対象となりえますので注意が必要です。

また、取締役が債権者や労働者などの第三者に対して責任を負うのはどのような場合でしょうか??

会社法429条1項には次のように規定されています。

役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、その役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

つまり、取締役が職務を行うにあたって悪意や重過失があり、その結果会社が倒産したような場合には、債権者に対して個人的に責任を負うことがあります。

具体的には、詐欺的な商法を行っていた場合、会計書類に虚偽記載をして粉飾決算をしていた場合、私的に財産を流用していた場合、

そして他の取締役がこれの行為を認識していたにもかかわらず注意・監督をしなかった場合などがこれに該当します。

 

最後に、保証人になっている場合はどうでしょう??

会社が銀行などの金融機関から借り入れを受けるときに、代表取締役が保証人・連帯保証人となることがあります。

特に中小企業の場合は、代表取締役が会社の借り入れの連帯保証人となっているケースがほとんどです。

この場合、会社が倒産すると代表者個人は会社が負っていた債務を負担しなければいけません。

会社が倒産することによって債務の期限の利益が失われ、代表者個人は、会社の債務を一括で返済する義務を負います。

このような場合は、会社が倒産するのと同時に代表者個人も自己破産の申し立てを行うのが通常です。

 

事例を一つご紹介、労災の責任も問われるケースがありますので、ご紹介しておきます<(_ _)>

被告:取締役4名

請求額:8,000万円

概要:M社の従業員が、恒常的な長時間労働を原因として、急性心不全により死亡

提訴理由:取締役には、従業員の労働時間を適正に把握しうる社内体制を構築し、

時間外労働についても適正な範囲内におさめ、また給与体系についても長時間労働が生じないよう配慮する

善管注意義務があったにもかかわらず、これを怠ったと主張して、死亡した従業員の両親が第三者訴訟を提起。

ポイント:従業員の労働状況については、現場の管理者に責任が発生するのが一般的である一方で、

会社全体の管理体制について、取締役の責任が認められるかどうかが争われた。

 

皆さん、経営者の方は上記の法を理解したうえで経営に邁進してください<(_ _)>

クオーレの泉

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